このサイトについて

このサイトについて: 私自身が30年来のファンであり、また海外のslash fandomの一角で80年代から現在に至るまでカルト的な人気を擁する、「エロイカより愛をこめて(From Eroica with Love)」を題材とした、英語での厖大な二次創作群を紹介・翻訳しています。サイト管理者には原作者の著作権を侵害する意図は全く無く、またこのサイトにより金銭的な利益を享受するものでもありません。「エロイカより愛をこめて」は青池保子氏による漫画作品であり、著作権は青池氏に帰属します。私たちファンはおのおのが、登場人物たちが自分のものだったらいいなと夢想していますが、残念ながらそうではありません。ただ美しい夢をお借りしているのみです。

注意事項:
 原作の内容を大幅に逸脱し、男性間の性愛を主題にした明らかに性的な内容を含みます。不快感を覚える方は画面をお閉じ頂けるよう、お願い申し上げます。

2013/01/12

ずいぶん遅くなりましたが姫始め



  
The Iron Mask
by Kadorienne

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伯爵を幸せにしてあげよう系列作。やーもう、降って湧いたような幸せ。切り株に座ってたら兎がぶつかってきたみたいな。





この次は「本歌取り」的なものを予定しています。初紹介の作者さんです。

2012/12/19

年の瀬も押しせまって参りました


  
  
来年の抱負は

「少佐は伯爵に完全に心を奪われているが、意地と意外な小心さでそれを言い出せない。」

です。


…「抱負」という単語の意味的にも内容的にも何もかも間違ってますか?私???




この伯爵少佐AAがカワユス








では仕切り直しで。来年の抱負は「もっと書こう。もっと訳そう。」でーす。

伯爵は少佐が勇気を出すのを気長に待っているのさ!  ξ*^ー゚) ♥ (-´#
  
  

2012/12/10

腐り風味はほんの少しだけ




痛い痛いお話がふたつも続いたので可愛らしいやつをひとつ。ラストがらしくて笑っちゃいました。二人で戦利品を担いでくっついて、踊るように歩いているあのカラー画を彷彿とさせます。


  
Dedication
by Anne-Li


このあとには「二次創作は『本歌取り』論」というブログ記事をと合わせてクリスマスまでに放出しようと、ぼちぼち翻訳を開始していたフィクがあるのですが。作者様と連絡がつかないので、どうやらお蔵入りしそうです。翻訳予定リストはまだまだ長いので、一旦棚上げとして次のに行きまーす。少佐記憶喪失モノをふたつ予定していますが、ふたつのうちひとつはやはりまだ作者様と連絡がつきません。
  
  

2012/11/23

陳腐な設定から何が生まれるか


  
勢いで訳せてしまったので、来月をまたずに公開可となりました。一挙に二篇です。  



  
From Eroica.
by Kadorienne

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 “It’s just that, I really believed that underneath, you secretly loved me.”
            
Klaus sighed, very deeply. And answered, very softly, still staring at the ceiling. 
“I do.”

無茶苦茶陳腐ですよね。そのとおりです。だからこそ、伯爵にこう言わせ、少佐にこう答えさせるためには、あの凄惨な前半が必要だったのです。 






  
The Devil He Knew
by Kadorienne

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わたしたちは狼狽も恐怖も、ましてや羞恥や自責などを感じる必要はなく、ただ激怒だけを抱けばよいのです。私はそう受け取りました。


2012/11/17

「少女漫画のヒロインたち」


 
 
日経新聞では毎週金曜に藤本由香里氏の「少女漫画のヒロインたち」を連載しています。

第三回の昨日分は24年組、萩尾望都から始まり、とうとうこんな文章に続きます。

また、竹宮惠子『風と木の詩』は、その後「やおい・BL(ボーイズラブ)」と呼ばれて新しいジャンルを形作っていく「男どうしの愛」を描いた作品の原型として、「ジルベールとセルジュ」という<究極の対>たる二人の少年の姿を創造した。

おっさんメディアの日経で「やおい」とか…。感無量。

一方で、「少年」ではなく「青年」を主人公にしたスラップスティックコメディ、青池保子『イブの息子たち』『エロイカより愛をこめて』、長寿ギャグ漫画である魔夜峰央『パタリロ!』なども、系統は違うが「男性」を主人公とした少女マンガの人気作品である。いずれも「性別越境」の要素をその基底に持っていることに気付かされる。

エロイカへの言及もありました。↑むふむふ。
  
  

2012/11/16

「二次創作は詰将棋」論


  
  
  

論というほどのものではありません。タイトルのみで結論。『将棋』という世界観、枠がすでにあり、受け手には自明のものとして理解されているという前提の上に、ある限定された状況でそれぞれの駒がどう動くか、その局面をどう打破してゆくのかを突き詰めた思考遊戯が詰将棋です。

二次創作も同様に、受け手に自明のものとして理解されている世界観の中の、ある限定された状況で登場人物たちがどう動き、その局面をどう打破してゆくか、あるいはできないかを突き詰める思考遊戯と言えます。例えば私の『昼と夜とすべてと』は、まさにその「打破できないこと」をそのものを主軸に据えて書きました。(←いちばん気に入っているが多分いちばん嫌わてそうな作)

例えばこういう思考遊戯があります。限定された状況を、任務中に東側に拘束された少佐と伯爵と設定します。拷問と強xを受けた二人はどうなるのか?

こういう設定を英語/仏語でclichéと言いますね。フィクでもよく自虐的に使われます。私もちらっと考えたことがあります(こちら)。ですが、私のようなヘタレは痛いことを考えるのがツラいので、冒頭を書いただけでさっさと退散してしまいます。 

一方、たかが二次創作とはいえ優れたフィクの書き手というのは、そこでは終わらなかったりするわけです。終わらなかった場合には、たとえ遊戯であれ表現の試行錯誤には書き手の人格が投影されます。遊戯を越えた思考実験が、書き手という人間を逆にあぶり出すことになります。

来月はその思考実験を二作、ご提示しようと思っています。書き手は陳腐な設定から何が起こるかを突き詰めて考えた。その結果、凄惨な体験と引き換えにしか口にできなかった質問を登場人物の一方は発し、もう一方はたった一言でそれに答えます。結果として、単語にしてたった二語のその一言のためにこのクリシェはフィクとして成立した。読み手としてそのような気がしてなりません。

もうひとつは強xされるという体験の克服。自分の置かれたジェンダーをまじめに考えたことのある女性にとっては、それは他人ごとには成り得ないテーマだと思うのですが(私たちの性は社会的に強xされ続けているという言い方もできます)、書き手はエーベルバッハ少佐という類まれなキャラクターに仮託して、そのことにひとつの解法を与えています。

皆様どうぞお楽しみに。