前翻訳に続き、「はじめてのデート」つながりでこちらをどうぞ。
Can't Buy Me Love
by Anne-Li
日本語訳はこちら
こちらもまた原作の二人の性格設定に見事に再現したフィクで、不自然なところがありません。タイトルはビートルズの名曲「愛はお金じゃ買えないよ」から。私はこういう肩のこらないお話も大大大好き。一転してコメディでで、二人の掛け合いに大笑い。作者様の注意書きでは「70年代から80年代前半の設定とする」とありますが、絵的にはむしろ最近の絵で思い浮かべたほうがぴったり来るかも、と思いました。
ふたりがくっつく前のお話は、数限りなく読みたいですね!。余裕たっぷりの伯爵と、慌てまくって汗をかいて牙をむいてる少佐の組み合わせは、読み飽きることのないものです。スリッパで床を叩きながら転げまわりたくなるような(←わけがわかりません)結末を迎えますです。
<以下ネタバレあり注意>
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一日エスコート権をつけて男性を競りにかけるチャリティーオークションという、日本人のわれわれにはなじみのないお話の設定ですが、あながち荒唐無稽というわけでもないのかな? 私は20年近く前にインターナショナルスクールに通う高校生から、チャリティーイベントでこれと同じことが行われるという話を聞いた記憶があります。もしかするとアメリカの学園ものドラマとかでは定番のイベントだったりするのでしょうか。(全く見ないのでわかりません)
どうしてフォン・デム・エーベルバッハ少佐が窮地に陥る話というのはこんなに面白いのでしょう。追い詰めているのが伯爵というところが素敵。
私が大笑いしたのは二箇所。
He couldn't win for losing, could he? "Look - I'll give you a painting, how about that? A nice ... colourful painting. That one with the fat, indecent angels--"
"Cupids."
"-- and the woman barely covering herself with the flowers. You can have it - just don't make a fool of me tomorrow!"
芸術オンチの少佐と、それが当たり前すぎて、もはやからかいもしない伯爵の掛け合い。原作に出てきても違和感ないシーンです。
そしてここ。
However, as if sensing Klaus's apprehension, Dorian mouthed, "Don't worry - I won't." Then he frowned. "You don't have to put on a show, though, you know."
Klaus wondered if he had misread the lip movements. Of course he wouldn't put on some kind of show! This wasn't a bloody talent competition! Which was kind of bad, in a way, because he wouldn't have minded holding the comfortable weight of his Magnum to display his very best talent, with the hungry way the women stared at him.
"You are most tempting, that way," Dorian continued. "Relax, soldier."
Klaus blinked, then quickly stepped out of his tense stance and brought his hands forward, rather than resting them on his lower back. A disappointed noise went through the crowd. He had to make a conscious effort not to cover his crotch. He wouldn't thank Dorian for the heavy hinting, but felt a little grateful all the same.
ふたりがマチュアな成人男性であることをありありと感じさせる描写であると同時に、作者様自身ががマチュアな成人女性であることもうかがわれて、にんまりしました。にーっ。
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ところで、"Ninni"という名前ははじめて見ました。baby nane finderなどで探すと、Ninnie"という名前ならありました。これだと"ニンニィ"という感じ?1800年代後半のアメリカなどで時々見られる名前とあり、思いついて"Ninni"でスウェーデン語に検索を絞るとたくさんありましたので(もちろん私には全く読めません)、作者様のお国では一般的な名前なのかもしれません。腐女子的には、読んでてNinniに自分を投影しちゃいますよね~。
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なお、1ユーロは1.95583ドイツマルクとのことなので、17,300マルクは8845ユーロ、ただ今落ちまくっているユーロですので90万円弱、というところになります。計算あってる?
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