任務の邪魔をせんように 伯爵を遠ざけようと騙して引っ掛けた罠のせいで伯爵がシャレにならん危機に陥り、ありえないほど取り乱す少佐でもいいです。トロイをもっと極端にしたような。書きかけてみました。
仕掛けた罠に伯爵がうまうまと引っかかったという報告を受けて、少佐は呵呵大笑した。いい気味だ。おれの任務に茶々を入れるなら毎回こうしてやる。部下たちの妙な沈黙が気になったが、知ったことか。これで任務に集中できる。
* * *
(中略)ボロボロンテに敵対するマフィアにヤツの居所情報を売った。マフィアからはすでに謝礼の連絡が届いている。
Bが暢気な口調で言った。「あのマフィア、先週ボロボロンテの愛人を誘拐して殺害したとこですよ。よっぽどボロボロンテに恨みがあるんでしょうね。」
Bを除く部下全員がぴたりと体の動きを止めた。Bはのんびりと続けた。
「殺害前に凄惨な拷問を加えている映像が、ボロボロンテの手元に届いたとか届かないとかいうう噂ですし。」
Bを除く部下全員がおれから目をそらせた。
血液が逆流したような気がした。視界が赤くなった。だがおれの口から出たのは、いつもどおりの声だった。
「任務にもどれ。」
(中略)気がつくと吸殻が足元に落ちて、絨毯に焦げを作っていた。
* * *
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(中略)ボロボロンテに敵対するマフィアにヤツの居所情報を売った。マフィアからはすでに謝礼の連絡が届いている。
Bが暢気な口調で言った。「あのマフィア、先週ボロボロンテの愛人を誘拐して殺害したとこですよ。よっぽどボロボロンテに恨みがあるんでしょうね。」
Bを除く部下全員がぴたりと体の動きを止めた。Bはのんびりと続けた。
「殺害前に凄惨な拷問を加えている映像が、ボロボロンテの手元に届いたとか届かないとかいうう噂ですし。」
Bを除く部下全員がおれから目をそらせた。
血液が逆流したような気がした。視界が赤くなった。だがおれの口から出たのは、いつもどおりの声だった。
「任務にもどれ。」
(中略)気がつくと吸殻が足元に落ちて、絨毯に焦げを作っていた。
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<結局、単独で伯爵を救出に行く少佐>
「肋骨の間に小型のGPSが埋め込んである。おれの位置を確認できる人間は限られているが、その中に部長がいる。休暇が終わった時点でおれが戻らず、イタリアのある地点から動かないことを知ったら、チームに何らかの指示を出すはずだ。おれが何をしているかについては、部下どもが部長にちくりやがるだろう。」
「なるほどね。メッセージの発信はできないのかな?」
「そういう機能はない。装置自体のオン/オフもできない。」
「きみは四六時中監視されっぱなしだということ?」
「反対に言えばそうだ。おれが知る限り、NATOにはこれをつけている者があと6人いる。だが部下持ちでチームを率いているのはおれだけで、あとはソロで動くやつばかりだな。」
「きみがいっしょにいると伝えれば、私のチームも私の現在位置がわかるかな?」
「ヒゲだるまが接触してきたときに、おれの部下がどう答えるかだな。」
そう答えながら、結局Aはほとんどすべてを話してしまうんだろうと
<少佐の独白を挟みましょう>
「私のはもう少しアナクロなんだ。」
伯爵は髪の間から銀の金属線を引き出し、口に含んだ。細い指を口の奥まで突っ込んで、眉をしかめてなにやら指を動かしている。それから指を抜き出し、おれの顔を見てにっと笑った。
奥歯をカチカチと鳴らし始めた。不審な目つきで見つめていたおれは、それがモールス信号であることにすぐ気づいた。注意深く聞いていると、伯爵は自分の無事を簡潔に打信し、おれが横にいることを付け加えた。その短い内容を念のため三度繰り返し、金属線を口から抜き出して、元のように髪の間に隠した。
「奥歯の中に発信機があって、髪に隠した増幅器経由で発信するんだ。私たちが閉じ込められているのがよほど深い地下室でない限りは、これで届くはずなんだ。ボーナム君が言うにはね。」
「きみのと同じだ。大きさの制限で受信機能まではついてない。部下たちを信じて待つしかないんだ。ある程度の事前の打ち合わせはしてあるけどね。」
「きみに罠にはめられたと知ったとき、すこし、そう、かなり堪えたな。XXXXX(←名前未定)がボロボロンテの愛人を惨殺したという話を聞いたところだったし、そこまで私は嫌われていたかと愕然とした。積極的に脱出を試みる気力もわいてこなかったぐらいだ。
<このあたりでふたりでクダクダ、やるかやらんかはきめてません>
「私のはもう少しアナクロなんだ。」
伯爵は髪の間から銀の金属線を引き出し、口に含んだ。細い指を口の奥まで突っ込んで、眉をしかめてなにやら指を動かしている。それから指を抜き出し、おれの顔を見てにっと笑った。
奥歯をカチカチと鳴らし始めた。不審な目つきで見つめていたおれは、それがモールス信号であることにすぐ気づいた。注意深く聞いていると、伯爵は自分の無事を簡潔に打信し、おれが横にいることを付け加えた。その短い内容を念のため三度繰り返し、金属線を口から抜き出して、元のように髪の間に隠した。
「奥歯の中に発信機があって、髪に隠した増幅器経由で発信するんだ。私たちが閉じ込められているのがよほど深い地下室でない限りは、これで届くはずなんだ。ボーナム君が言うにはね。」
「きみのと同じだ。大きさの制限で受信機能まではついてない。部下たちを信じて待つしかないんだ。ある程度の事前の打ち合わせはしてあるけどね。」
「きみに罠にはめられたと知ったとき、すこし、そう、かなり堪えたな。XXXXX(←名前未定)がボロボロンテの愛人を惨殺したという話を聞いたところだったし、そこまで私は嫌われていたかと愕然とした。積極的に脱出を試みる気力もわいてこなかったぐらいだ。
<このあたりでふたりでクダクダ、やるかやらんかはきめてません>
少佐のチームを率いてかっこよく救出に現われた部長。
「これは貸しにしておこう、エーベルバッハ君。」
「部長!あんた・・・あんたたんでこんなところに!」
「きみの不在の間、きみのチームの指揮を取れるのはわしだけだ。そうだな?」
「これは貸しにしておこう、エーベルバッハ君。」
「部長!あんた・・・あんたたんでこんなところに!」
「きみの不在の間、きみのチームの指揮を取れるのはわしだけだ。そうだな?」
<いろいろと処理>
休日出勤の部長はふと思いつき、厄介な部下の肋骨の間から24時間絶え間なく送られている信号の位置を確認した。ドーヴァーの向こう。思ったとおりだった。なべて世はこともなし。落ち着くところに落ち着いたか。わしは何も言わんぞよ、あんまり経費を使いすぎんでくれているうちはな。せいぜい柔らかく蕩けておるがよいぞ、わしの可愛い部下、鉄のクラウスよ。
あれえ?部長大活躍で終わりそう???
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