このサイトについて

このサイトについて: 私自身が30年来のファンであり、また海外のslash fandomの一角で80年代から現在に至るまでカルト的な人気を擁する、「エロイカより愛をこめて(From Eroica with Love)」を題材とした、英語での厖大な二次創作群を紹介・翻訳しています。サイト管理者には原作者の著作権を侵害する意図は全く無く、またこのサイトにより金銭的な利益を享受するものでもありません。「エロイカより愛をこめて」は青池保子氏による漫画作品であり、著作権は青池氏に帰属します。私たちファンはおのおのが、登場人物たちが自分のものだったらいいなと夢想していますが、残念ながらそうではありません。ただ美しい夢をお借りしているのみです。

注意事項:
 原作の内容を大幅に逸脱し、男性間の性愛を主題にした明らかに性的な内容を含みます。不快感を覚える方は画面をお閉じ頂けるよう、お願い申し上げます。

2011/10/31

たぶん今夜リリース

 
  
スビバセン(←桂枝雀風)、今91%なんです。
 
読むのと訳すのはまた質の異なった作業になります。一番長いものは、前半の状況が現実の世界情勢とややリンクする部分があって、現実の映像を他意なく目にしてしまったときに、息苦しさに翻訳が進まなくなってしまった瞬間がありました。後半は単なる読者としては気軽に読めたのですが、いざ訳してみると登場人物の苦悩の底にまでシンクロしてしまい、胸が痛くてたまらなくなりました。20代後半から30代にかけてというのは、こういうことに苦しむには遅くもない年齢ですね。私はもうとっくに通り過ぎましたが。
 
余計なことを言ってる暇があればさっさと訳せ!と自分でも思いますが、こんなときこそ余計に寄り道をしたくなるものなんですよね。で、寄り道。今書いているもの。タイトル未定。
 
クローゼットを指差して、一枚選んで着るように指示した。

今度は落ち着いて眺めることができた。長い手足、細い腰と手首、無駄のない筋肉の付いた肩と背中。細すぎない腕が見た目よりも強靭なことを、おれは知っている。

エロイカはおれの仕事着の中から真っ白でごくまっとうなシャツを一枚選び出し、素肌に羽織った。おれならば絶対にやらない着方だ。前のボタンをどこまで掛けたかは、振り返ってみるまでわからない。カフを折って裏側からボタンを留めた。ほっそりした手首にそれはぴたりと合った。ジーンズのファスナーを開ける音がした。裾を細いジーンズに入れると、腰周りが余っておれの服ではないようなシルエットになった。おれの普通の白いシャツが、やつが着ると大きさに余裕があるせいでゆったりとしたドレスシャツのように優雅だった。ファスナーが上がった。やつは無言のままに身支度をした。ベルトの金具が鳴った。まだ少し湿り気の残る髪を指で梳いた。うなじが見えた。折ったせいで短めになった袖口から、二重の細い金の鎖がのぞいていた。さっきさらさらと砂の流れるような音がしていたのは、これか。

おれはエロイカが身支度を終えるのを、ベッドに身を横たえたまま、舐めるような視線で最初から最後までみつめていた。やつは気づいているのか、いないのか。体の芯がじりじりと熱くなってゆくようだった。唇が乾いた。自分の鼓動が聴こえた。おれは昨夜この体を自由にしたというのか。おれの正気やら良心やら罪悪感やらというのはよほど無駄に強靭であるらしい。なにひとつ覚えていなかった。

エロイカは振り返った。上から二つ目のボタンまでを掛けていた。妥当だ。

「じゃあ行くよ。」

泣きはらした赤い目をこちらに向けないようにして、(続く)
 
 
 

2011/10/28

ラストスパート

進捗。


(1)  2382語  完了
(2) 18452語 74% まで終了 ←トンネルの先の明かりがようやく見えてきた・・・
(3)   4262語 完了

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週末に何とかできることを天に祈る・・・

2011/10/24

進捗とお詫び

進捗。


(1)  2382語  完了
(2) 18452語 60% まで終了 ←量的にこの人が(以下略)
(3)   4262語 完了

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お申し込みありがとうございます!大幅に遅れておりますスミマセン。週末は所用でほとんど手をつけられませんでした。月末までには何とか…。したい。(予定は未定であって決定ではない)
 
完成次第、配布を開始させていただきます。お申し込みルールはこちら

2011/10/20

お申し込みありがとうございます!

進捗。

(1)  2382語  完了
(2) 18452語 57% まで終了 ←量的にこの人がやはり問題
(3)  4262語 75% まで終了





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お申し込みありがとうございます!遅れておりますスミマセン。完成次第、配布を開始させていただきます。お申し込みはたいへん励みになるので嬉しいです。


しかし(2)はいつ完成するのか本人にも渺茫。いつもなら50%を超えると一山超えた感があるのだが、今回はまだ感じない。

2011/10/18

そろそろ受付開始


進捗。

(1)  2382語  90% まで終了
(2) 18452語 50% まで終了 ←量的にこの人が問題
(3)  4262語 66% まで終了



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そろそろ受け付け開始でございます。夏休みの宿題を9月に入ってからやるタイプ。わたし。

2011/10/17

アクセサリといえば

  
  
  
ごく初期の伯爵は右手の薬指に指輪をはめてるんですよね。それで妄想。このころの伯爵って、別に決まった相手がいたんじゃないかな。妄想するとすごく年上で、教養とか社会的地位とか資産とかもたっぷりある素敵なロマンスグレーで、やんちゃで可愛い伯爵を手のひらの上で遊ばせているような。狩りの最中に怪我をして、今は杖をついいるとか、車椅子とかでもいいな。とにかくアナクロな設定てんこ盛りの初老の男性がいいです。先代伯爵(お父様)の昔の恋人とかでもいいやー!○○どんぶりですね!(←明るく言い放つ)

ところが少佐と出会ってしまうわけですよ。

抑えようもなく惹かれてゆく自分を止められない伯爵。そんな恋人の様子にすぐ気がつく年上の人。大人の余裕で見ていられたのもつかの間、掌中の玉が指の間からすり抜けていったのに気づくのが遅すぎたことに激しく後悔。引き戻すべきかこのまま送り出してやるかの葛藤に苦しむ。年上の恋人の苦悩に、生まれて初めて恋の罪悪感を覚える伯爵。しかし運命の恋は止められない。(書いてて顔が笑うが) そんなとき、年上の恋人がが死病に犯されていることが判明する。余命いくばくもなく・・・。最期まで看取るか、運命の恋人を振り向かせることに全力を賭けるか、立ちすくみ戸惑う伯爵。だがその年上の人は、青白い頬に笑顔を受かべて、「行っておいで。」と、年若き恋人の背を押してやるのだった。


伯爵は振り返った。髪が乱れ、頬に涙の跡があった。
「きみになんか出会わなければよかった。」
少佐は即座に怒鳴り返した。「おれだってそう思っとる!」


正業にもどりなさい、わたし。



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進捗。

(1)  2382語  68% まで終了
(2) 18452語 46% まで終了
(3)  4262語 44% まで終了

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(1)はあまりに激しすぎて、訳すのが辛くなってきました・・・。(夜中に一人で哀しくなってきたというか、賢者モードに入ってしまったというか) あっさり読むだけならともかく、訳すならやっぱりもうちょっとロマンティックなやつのほうが好きでした。 (2)は長い。私の豆腐のような根性の限界を超えて長い。そして読んでて楽しかったのは前半だったので、前半訳し終わった時点でかなりしゅるしゅると気力メーターが下がってきています。 (3)はすんごくロマンティックで(しかもちゃっかりやることやってて)素敵なのですが、文体が凝ってて訳しにくい。しかしこれはなんとか美しい日本語にしたい。

(3)の一文。 "Contempt was a relief, like putting on a comfortable pair of shoes."(軽蔑は履きなれた靴のように彼を癒した。) ね、素敵でしょう。

2011/10/16

アクセサリ

  
   
少佐が二人のために対のアクセサリを作らせて、二人で肌身離さず身につけるというファンフィクがありました。どんな宝飾品かというと、少佐用には大粒のティアドロップのアクアマリンのペンダントで、石に薔薇の彫りこみのあるもの。そして伯爵用には同デザインのエメラルドで、彫りこみの模様はもちろんイノシシ
   
地下鉄のなかで読んでて膝が折れそうになりましたが、ふと己を鑑みてどっと冷や汗。猪のレリーフの玉(翡翠)のチョーカー、確かに持ってます。ときどき週末につけてます。あっはっはー。猪を首にぶら下げた女なんて、なかなかいませんよ。どこかにいたら、それはわたし。



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進捗。

(1)  2382語  44% まで終了
(2) 18452語 44% まで終了
(3)  4262語 44% まで終了

2011/10/15

リーディングデバイス

  
みなさんは英語フィクションをどこで読んでいますか。私は移動中などに、文庫本とほぼ同サイズの、もっと薄くて軽い小型のリーディングデバイスで読んでいます。キンドルの超廉価版のような簡単な機能のものをひょっこり頂いたので、英語フィクをテキストデータに落として数百個入れました。純粋にエロイカフィクに特化したデバイスです。落として誰かに拾われたら軽く死ねる。やー、だって、あんなのやらこんなのやら…
  
とは言いつつも、それを膝の上において読みながら、ケータイのメール画面に訳文の下書きを打ち込んでいくというようなアクロバティックな真似もしています。このテキスト打ち込み機能が最優先であるが故に、タッチパネル式のiphoneやアンドロイドに乗り換えられず、いつまでもQwerty端末を愛用し続けておるのです。 
 
 
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進捗。

(1)  2382語  27% まで終了
(2) 18452語 42% まで終了
(3)  4262語 44% まで終了

2011/10/14

疲れているとき

    
  
断片02   
死の淵から這い上がるような任務の後に唐突に私を抱き寄せたあの日のことを、忘れられると思っているのかい?グリーングレーの瞳が私への欲望に燃えていた。きみを誰にも渡すもんか。鋼鉄の鎧を身に纏った、私の軍神マルス。

これを書きながら私が思っていたのは、「そうそう、疲れ○○ってあるよね~」でした。すみません。20年ぐらい前までは乙女だったんですけど。
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35周年記念企画が不憫なので、「とにかく伯爵を幸せにしてあげよう」キャンペーンを鋭意実施することにいたします。伯爵、少佐とたくさんやらせてあげるからね。(でもそれって通常運行と何ひとつ変わりません。)
 


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おまけ。少佐もこのくらい脱ぎっぷりよくなってくれないだろーか。



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進捗。

(1)  2382語  9% まで終了
(2) 18452語 42% まで終了
(3)  4262語 38% まで終了

2011/10/13

某所でかわいらしい二人を見て

     


ぼくの名前はドリ坊♪
きみの名前はクラ坊♪
ふたりあわせてクラxドリさ~ 
きーみっとぼっくとでクラxドリさ~


クラ坊: 個別に名前が出る順と、セットになったときの順が違うのはなぜだ。
ドリ坊: 私は主役だからとりあえず先さ。

クラ坊: ふむ。
ドリ坊: でもセットにすると違う意味になるから、管理人が多数派に考慮したらしいよ。
クラ坊: ・・・KGBの陰謀か?(←どういう意味になるかはわかっていない)
ドリ坊: 私はどっちだっていいんだけどね。(にんまり *giggle*)


※「とにかく伯爵を幸せにしてあげよう」キャンペーン実施中  



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進捗。

(1)  2382語  9% まで終了
(2) 18452語 32% まで終了
(3)  4262語 37% まで終了

2011/10/11

妄想は昼夜を問わず

 
 
先週の「巴里の夜」は、みっつも書く気はなかったのです。最初はそれこそ、伯爵にいいようにされるサバーハのシーンだけで終わりでした。私は男性的に大胆でかつ繊細な伯爵が大好きなので、ここを書くのは楽しかったです。あと、けっこうかっこいい少佐を書けたので嬉しかった!あそこまでだったら、単にかっこいい少佐で終わったんだけど。
 
最終的にむっつり少佐の妄想を書き始めたら、もう筆がすべる滑る。あれは考えたというよりは、少佐の方から私に降りてきた。いつものノンケ少佐ではなくて、どっかからやってきた「実は…」タイプの少佐が。彼は脳裡ではあんなこともこんなことも伯爵に妄想していた。かわゆいやつ。奥手の高校生みたいではあるが、男は初めてだから勝手がわかんないんだよね!
 
伯爵が少佐の脳内妄想を知ったらどうなるんだろう。サービス精神旺盛な彼のことだから、一回は願いをかなえてあげたりするんじゃないのかな。おとなしく言うことを聞いてあげて。可愛くしてあげて。でも続かないような気がするなー。そのうち業を煮やして、あっさりひどいことを言い出しそうだ。「きみ、淡白じゃないくせに上手でもないよね。」とか。
 
 
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「きみの言いつけをなんでも聞く、ものわかりのいい金髪くんでいるのかい?この私が?それってまんま、Z君じゃないか!」伯爵はくすくす笑った。「きみ、Z君に気があるのかい?」

「ばっかもんが!けしからんことを言うな!」

「だろ?きみはZ君には手を出さない。だったら私がZ君みたいになっても無駄無駄無駄。だってなんにもしてくれないんだろ。私は私の路線で、正々堂々とこっちから手を出すさ。さあ、脱ぎたまえ。今日のきみの下着がグレーなのはもう調べ済みだ。もったいぶらなくてもいいよ。」


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妄想はこうやって羽ばたいてゆくのです。
 
 
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進捗。

(1)  2382語  9% まで終了
(2) 18452語 23% まで終了
(3)  4262語 37% まで終了

 
 
 

2011/10/10

便乗企画・進捗報告

進捗報告
 
(1)  2382語  9% まで終了
(2) 18452語 12% まで終了
(3)  4262語 37% まで終了

 
詰め合わせは三本立てとなります。(1)はわたし的にはあまり興味がなかったのですが、ま、今回はあわせてみました。(2)はえええ?な設定です。前半と後半で別の面白さが…。1-2巻ぐらいまでの伯爵と少佐で脳内再現をひとつ。(3)はえろえろです。主役は抑圧少佐なのでしょうが、私の伯爵がステキ。大好き。
 
どれもこれも訳が進んでおらず、発売日にはちと間に合いそうにありませぬ。そこんとこ、お詫び申し上げます。

2011/10/08

巴里の一夜

「サバーハ」三連作を「巴里の一夜」と改題して、裏庭に載せました。あまりにもサバーハが出てないので、サバーハ萌えの方々にとってはタイトルが羊頭狗肉かと思って。とにかくサバーハがいてこまされてるえろいやつ、から始まったはずなのに、筆がすべりに滑っているうちに、むっつり少佐の妄想大全になってしまいました。書いててすんごく楽しかったです。

個人的に気に入っているのは「食い残しのザウワークラウトのようにあっさり捨てる」という表現で、これは以前どこか別のところで使った「踏みつけたコッペパンをゴミ箱に放り投げるように」という表現の焼き直しです。ドイツ人に「コッペパン」じゃあんまりだと思って、酢キャベツにしてみました。なお、伯爵版は「淹れすぎて色も出なくなった出がらしの紅茶の茶殻のように」ですが、ジェイムズ君はいろいろ再利用してそうだな・・・。

2011/10/05

サバーハ

友人のお題に応えて、サバーハが出てくるのを書いています。ぜんぜん興味がなかったが、書いてて結構楽しくなってきた。こういうの。


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「君の国の香料の匂い、緊張したきみの汗の匂い、皮のレーシングスーツの匂い が交じり合っている。たまらないね。」

英国人は私の胸元から顔を挙げないまま、そう言った。からかうような言葉に 伴って吐き出された息の温もりが、私の肌をかすかに刺激した。それだけでもま た声が出そうだったのに、金髪はそのまま頭を下げ、巧妙な 舌で私の・・・(つづく)

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裏庭の方にアップしました。