このサイトについて

このサイトについて: 私自身が30年来のファンであり、また海外のslash fandomの一角で80年代から現在に至るまでカルト的な人気を擁する、「エロイカより愛をこめて(From Eroica with Love)」を題材とした、英語での厖大な二次創作群を紹介・翻訳しています。サイト管理者には原作者の著作権を侵害する意図は全く無く、またこのサイトにより金銭的な利益を享受するものでもありません。「エロイカより愛をこめて」は青池保子氏による漫画作品であり、著作権は青池氏に帰属します。私たちファンはおのおのが、登場人物たちが自分のものだったらいいなと夢想していますが、残念ながらそうではありません。ただ美しい夢をお借りしているのみです。

注意事項:
 原作の内容を大幅に逸脱し、男性間の性愛を主題にした明らかに性的な内容を含みます。不快感を覚える方は画面をお閉じ頂けるよう、お願い申し上げます。

2011/09/30

とりいそぎ

本業がシャレにならん事態になりつつあるのと、ちょっと体調を崩したのが重なりまして更新が滞っておりますが、なんとか週明けまでには次の一篇をアップしたい意向です。35周年記念便乗企画のほうもぼちぼち進めております。


おお、そうだ。今訳しているやつにも"beg" が出てきました。とりあえず「哀願」と訳しておきましょう。

2011/09/22

翻訳のお部屋004

 
 
ケーキ三連発。


こちらを読んでいて気になったのがこの部分。
…her main characters tend to always look like Klaus and Dorian, even when that’s not really the case. It’s especially bad in Knights of Drachen, but sometimes it can work to reader benefit when she feels like drawing cheesecake illustrations of, say, Don Pedro.
 この後に、全裸で川べりに横たわるカステラ屋ドンちゃんの美しいカラー画が入ります。で、チーズケーキってなんじゃらほい、「yummy(おいしそう)」とかかな?と調べると、米語で微エロなピンナップ、転じてそういうピンナップに出てくるようなかわい子ちゃん、だそうです。


そこで思い出したのが CMX版エロイカ2巻。少佐が花も恥らうカワイイ時代のGくんをfruit! と罵っていたような記憶があります。あれはおかま!とかチャラチャラすんな!とかの意味かなとテキトーに思っただけで調べていませんでしたが、今調べました。その通りでした。fruitcake!でも同じ意味だそうです。


その過程で、cakeを使ったスラングをもう一つ発見しました。"beefcake"。ハンサムなマッチョ系男性、またはそういう男性が最小限の布をまとった姿の写真、などだそうでーす。


ケーキ好きですねー、アメリカ人!
 
 

2011/09/21

しょうわ(LOVE)

では私もしょうわ(LOVE)なオハナシを。長くなりそうなのでコメント返しではなく、

某Slasherによれば、SlashとYaoiというのは概ね別のジャンルなのだそうです。判りやすく単純化すると、「Slash=やおい」「Yaoi=ボーイズラブ」だと思う、たぶん。Slash conとYaoi conでは、客層がぜんぜん違うんだそうな。そしてエロイカものというのは、漫画であるにもかかわらず、客層からも年代からも明らかにSlashに分類されているそうです。(CMXではYaoiというカテゴリーに分類されていたようですが。あと、Graphic Novelという言い方も見ますね。)

Yaoi con 21-23, Oct Marriott Hotel, SF Airport

Slash con
Connotations (イギリス) 7-9 Oct,    Royal County Hotel, Durham
Escapade (アメリカ, CA) 24-26 Feb 2012

Slash conは死ぬまでにいっぺん行ってみたいものですが、最盛期はもう過ぎたとの話ですね・・・


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このジャンルに於いて私の蒙を開いてくれたのは、大JUNEの復刊第一号です。"when I found slash it felt like coming home."(by Anne-Li)そのままの衝撃でした。こんなものがこの世にあったのかと。そしてなぜ私をこれほどひきつけるのかと。

大JUNE、お読みになってました?ZEPはあんまり覚えてなくて、デヴィット・ボウイの記事がたくさんあったのを記憶しています。しかし私は洋楽の方にはぜんぜん行かなかったので、そちらの道には進みませんでした。(どんな道だ)

エロイカのパロにちょっと似た漫画を覚えてますよー。金第一耕助の事件簿、だったけかな?あきらかにジェイムズ君な探偵と、あきらかに伯爵な助手だか同行者だかの話でした。いま検索したらここに情報が! あきらかに伯爵の登場人物が聞き込みのときに、「きみのお父さんのベッドって、きしむほうだった?」と聞いていたのを鮮明に覚えています。私の走馬灯が回るときに、こういうアホアホしい記憶もきっちり回ってくるのかしら・・・。
小JUNEでは言わずと知れた「私説三国志」ですよね。持ってました。途中まで。

> それから、いわゆるアニメ時代が始まり

私はそことやや重なっちゃうんですよねー。しかしなんというか、そもそもある程度の年齢のマチュアなタイプの男性が好みだったせいもあり(何しろ高校生のとき好きだった芸能人が原田芳雄)、JUNEのお耽美路線には途中からついていけず、決定打としてはその後カンブリア爆発を起こした「キャプつば」あたりから全くそこにファンタジーを見い出せず、高校生ぐらいからその手のものはほとんど読まなくなってしまいました。はまる人はこのくらいの年齢からコミケとかにどんどん行くようになるんでしょうが、私は中学生のときに一回しか行ったことがありません。箱入り娘だったんで、父親に連れられていったんだよ~

しょうわ(LOVE)なつぶやきでした。

2011/09/20

翻訳のお部屋003

ただいま翻訳中のものに行き詰ったので一休み。

先日訳した"A Price Too High"後編には、"beg"という動詞が2400語中、実に10箇所も出てきました。私は英語力には大きな難があるので、正確な訳はできません。日本語として読みやすい意訳を心がけることになります。どう訳し分けましょうか。以下が一覧です。


1) How long can you go before you beg for it?
  (さあ、赦しを請うまで、あとどのくらい我慢できるんだい?)

2) You want me to beg?
  (おれに赦しを請えとでも言うつもりか?) 

3) The thought of begging for anything still went against the grain with Iron Klaus.
  (赦しやら哀れみやらを請うなどというのは、いかなる状況下でも鉄のクラウスにはありえないことだった。

4) Yes. I want you to beg.
  (そうさ。 私に赦しを請うんだよ。もう許してくれって、おねだりするのさ。)

5)  “I’m gonna make you beg,
  (きみをめちゃくちゃにしてやるよ、

6) “Iron Klaus does not beg."
  (鉄のクラウスは赦しなど請わん。

7)  After several minutes, Dorian had his wish as Klaus begged for release.
  (数分後に、ドリアンは望みのものを得た。クラウスは赦しを請うた。

8) I thought Iron Klaus doesn’t beg,
  (鉄のクラウスには、敵の哀れみなど不要かと思っていたよ。)  

9) Now I’m gonna make you beg!”
  (今度はおまえをひいひい言わせてやる番だぞ!

10) Fine. I won’t make you beg too long, then.
  (いいだろう。 意地悪はほどほどにしてやるさ。ほんの少しにな。)



最初に、「許しを請う」と「おねだりする」のうち、どちらをメインの訳に採用するか考えました。 ほんとは1)を「おねだり」にしたかったのです。でもそうすると2)との繋がりがどうしてもうまくゆかなかったので、結局「許しを請う」が採用になりました。「請う」と「乞う」も迷ったのですが、そして「乞う」のえろえろな字面も捨てがたかったのですが、ここは上品に「請う」としておきました。「赦し」と「許し」については、4)で両方を使っています。

そればかりでは単調なので、5)、9)、10) では意訳を試みています。8)も意訳ですね。

7)の"for release"を訳の中に入れられなかったのが心残りなのです。入れるとどうしても冗長になってしまうので、なくなく諦めました。しかし"for release"は重要なのですよ!"release"してもらって何する気だったのクラウス君!ってまあ、答えは数行後に出ているわけですが。


かくも、 "beg"という単純な動詞はこのお話の中で重要な働きをしています。信頼関係に基づいた支配と服従の遊戯を、象徴するような単語だからでしょう。そしてその遊戯は、ヘテロであれホモであれ、どんなペアでも双方向に弄べる遊戯というわけではないように思います。私が日本産のこういった読み物の中ではリバにしか興味がなく、そもそも日本産よりはslashが好きなのは、そこに私のファンタジーがあるからなのだと思います。




2011/09/19

一度「ノリノリの少佐」「逃げ回る伯爵」を見てみたい。


 
  
戦車並みの体力に任せて襲い掛かる少佐、何か事情があって応戦できない伯爵。真剣に身の危険を感じて涙目の姫伯爵、「ますます食欲をそそる」ぐらいのことは言ってのける迫力色気少佐。少佐、ご先祖様が憑いちゃった?みたいな。
 
んーと、んーと、んーと。
 
(1) 少佐の性格が変わった理由
(2) 伯爵が応戦できない理由
(3) そんなことになってしまった経緯・場所
 
を、ひねりだせばいいわけですよね。
 
(1)か…。事故で頭を打つとか、KGBかノイエ・ナチスに変な薬を飲まされるぐらいしか思いつかないなあ。(2)は簡単。a.襲うのは好きだが襲われるのはヤダ、b.嫌がらない少佐は少佐じゃないので好みじゃない、c.真剣に怖い、d.この機に乗じてしまうと(据膳を食うとも言う)、正気に戻った少佐と永遠に顔を合わせられない、以上四つのコンボ。
 
真面目に描くんなら(1)および(3)に説得力のある設定が必要なわけですが、シチュエーションコメディだったら何でもいいよね。うーん。
  
 
 

【海外フィク翻訳】A Price Too High 2/2 Present - by Margaret Price

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前編を踏まえたうえでのハッピーエンドです。前編に引き続きmatureな描写が多く、淡白な方にはお勧めしません。でも私は、この二人の性格の描き分けに感心しています。ある種の男性の鈍感さというのがよく書けているというのは、こういった書き物には珍しいのではないでしょうか。もちろん鈍感なだけではなく、別のところでは十分繊細なわけですが。例えば(ネタバレにつき字の色を見づらいように変えておきます)








「おまえはその絵のためなら何でもすると言った。それでその男と寝たんだろうが。 おまえは、あのかぼちゃの絵についても同じことを言ったぞ。かぼちゃパンツのためなら何でもするとな。そしておまえはいつも、欲しいものはどんな手を使っても手に入れる。」

ドリアンは目を大きく見開いた。 「クラウス、私は『紫を着る男』が欲しくてきみと寝たんじゃない。」









ここはちょっと、うっときたかな。本当に恋におちたら、少佐みたいな男性ですらこういうこと考えてしまうのかもしれませんね。(←各方面から異議があがりそうです。)



2011/09/18

【海外フィク翻訳】A Price Too High 1/2 Past - by Margaret Price

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ぺドフィリアと鶏姦の描写を含みます。未成年の方、精神的に繊細な方、性的な外傷体験のある方はお読みにならないよう、強く警告しておきます。






このフィクの基になった正典(原作)は、番外編の中でも特に人気が高い一作です。あの体験が伯爵にとってどういうものであったかには、二つの解釈があると思います。「精神的な傷が残った」「傷は残らなかった」のどちらなのでしょう?


Margaret Priceさんは前者の解釈に基づいてこのフィクを書き、それはたいへん説得力のある解釈であったために、私はしみじみと感慨深くこの前後編を訳しました。一方、後者の解釈はいかがでしょう。以前どこかの掲示板で、「あの体験は伯爵にとっては、『水の中にある綺麗なものを取ろうとしたら手が濡れた』程度の感覚であって、大して気にも留めていないはず。」という書き込みを読み、これはこれで膝を打った記憶があります。


どう思われますか?

2011/09/17

もう毛皮とか着ないんだろうな

  
私はやんちゃで男性的な伯爵が大好きだし、夜の少佐は受け専でもいいんじゃないかとすら思ってますが、しかし、冬のお出かけのときに毛皮のコートを伯爵の肩にかけてやるという動作だけは、少佐にやらせてみたいもんだと思います。伯爵は当然のように礼を言うし、少佐は当然のようにその礼を受け流しつつ、自分のコートを着ますね。それからふたりでお出かけです。この場合、絵は再開前でお願いします。
まだ暑いのに、なーにを妄想しとるんだか。私の頭は一年中、やはり春か。


いや、ちょっと待てよ。最初に少佐が着せ掛けたとき、それはやっぱりアクシデントだな。うっかりだ。なにしろちゃんとしつけられたそれなりに上流階級の男性だから、ついつい習慣が出てしまったんだな。それで伯爵が、最初はあっけにとられたような顔をして、それから機嫌が悪くなる。
 
伯爵: 「どの女とまちがえた?」
少佐: 「・・・」(自分のしでかした致命的な誤りに、苦虫を噛み潰したような顔)
伯爵: 「その女も金髪なのかい?」 
少佐: 「・・・」(黙って耐える)


というきっかけで、習慣になってしまったと、そういう経緯ですな、うんうん。


 
 

【海外フィク翻訳】A Thousand Break-ups(7/7) Start Again - by Margaret Price

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2011/09/16

【海外フィク翻訳】A Thousand Break-ups(6/7) Payment - by Margaret Price

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ヒゲも巻き毛だよ、きっと。

  
 
こないだ読んだフィクの一節。

Dorian practically flew from his bed. He was cleaned, shaved, and dressed within half an hour.

やっぱ剃るんだ、ヒゲ。そうだよねー、大人の男性だもんねー。るんるん。(←男性的な伯爵が好き派なワタクシ)
 
 
 
伊丹十三のエッセイで、「・・・で鰹節を"shaved fish"と訳してあって大笑いした。ひげを剃り終えた魚、だ。」という意味の一説があり、shaveという動詞を知ったのはそれが初めてでした。中学生の頃で、アフターシェイブとかそういう単語すら知らなかったのよ。"shaved fish"みたいな間違いは、私が英語を書くときにもたくさんしてるんだろうなあ。
 
 

2011/09/15

Ogle and Leer

  
"I don't leer, I ogle," Dorian corrected as he rose to his feet.


What exactly is the difference between an “ogle” and a “leer”, anyway?
http://www.usingenglish.com/forum/ask-teacher/39838-ogle-leer.html
http://blog.iblamethepatriarchy.com/2006/05/05/leering-dudes/
http://proteinwisdom.com/?p=18008


結局わかりません。多分、日本人がやらない動作なので日本語にはないのだろうと思う。日本人そんなに細かく分けてない。

きっとアラビア人がラクダを峻別したり、モンゴル語にウマの包括呼称がなかったりするのと同じ種類のことなんだ。ご飯とお米とライスとめしと稲とイネと米粒と稲穂と銀シャリとおまんまと白米とは、みんなriceだもんなあ。


・・・さて、どう訳そう・・・。(ため息)  




【海外フィク翻訳】A Thousand Break-ups(4/7) Even Worse - by Margaret Price

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2011/09/14

愛って盲目。

 
某所でのおしゃべりで、伯爵派の某氏による「伯爵って片思いしたことあるのかな?」の一言にマジ噴いた。志村うしろうしろ~!的に。やっさんのメガネどこやどこや的に。2巻から38巻にいたるまで、30数年にわたって綿々たる片思いの話だと思っていたのだが・・・。

まったくもって、愛って盲目。うふふ。


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私が一番好きな伯爵の服は、ハレルヤエクスプレスから飛び降りるときの服。オープンカラーの白いシャツに、黒のベスト、黒のボトムをブーツイン。これとほぼ同じコーディネートだったのが、皇帝円舞曲で少佐への嫌がらせに地図を燃やしてドイツ大使館に連行されたとき。このときはブーツじゃなかった。お洒落で、しかしフェミニンすぎず、このくらいの服をずっと着ててほしい!

もうちょっとフェミニンでもいいやというなら、アラスカ最前線。少佐のお屋敷でちゃっかり朝ごはんを頂いちゃったときの服。フリルふりふりのストライプ。モノクロなのでわからんが、印象としては地がパールホワイトでストライプがネイビー・ブルーかな。この回は作画にミスがあり、少佐に挨拶をするコマだけ、袖口にもストライプがある。他のコマでは袖は白。

ノースダウンズでのパーティのときの服も良かった・・・。なんと呼べばいいのだああいう服。

そして大大大好き大好物なのはタキシード!!!乙女の頃に、薄く色のついた眼鏡をかけて細い葉巻をくわえ煙草のタキシード伯爵が、手に持つブランデーグラスに何かの薬品(錠剤)を落としているカラー画を見て、手足までシビレタのをはっきり覚えております。あのころはまだ少佐派だったはずなのに。

それから「笑う枢機卿」でパーティに出かける車の中、やっぱりタキシードでくわえ煙草の伯爵が毛皮を羽織っている表情はたまんないすねえ・・・。

忘れちゃいけないケルンの温泉地。本編のタキシードももちろん素敵でしたが、カラー画表紙!!!カウチにだらしなく座って、目でこちらを誘っている伯爵のお色気満開なことといったら・・・。あうあう。あの目線の先には少佐がいるんでしょうねえ、という話を伯爵派の二人にしたら、ふたりとも「え、私を見てるんじゃないの?」という反応だったので度肝を抜かれました。その発想はなかったわ・・・。

やっぱり愛って盲目。わーお。

 

2011/09/13

【海外フィク翻訳】A Thousand Break-ups(3/7) Party - by Margaret Price

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2011/09/12

【海外フィク翻訳】A Thousand Break-ups(2/7) Mission in Paris - by Margaret Price

Fried Potatoes com - A THOUSAND BREAK-UPS - Two: Mission in Paris

A THOUSAND BREAK-UPS - Two: Mission in Paris(日本語訳はこちら) 

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オリジナルのサイトには作者自身による挿絵があります。「これでクラウスは私のことが嫌いになったはず」とのコメントがついています(笑

2011/09/11

【海外フィク翻訳】A Thousand Break-ups(1/7) Break-up - By Margaret Price

Fried Potatoes com - A THOUSAND BREAK-UPS - One: Break-up

A THOUSAND BREAK-UPS - One: Break-up(日本語訳はこちら) 

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2011/09/10

...just don't do anything for me.



"I'm sorry, Major. Rape fantasies just don't do anything for me."



という伯爵のセリフをどう訳そうか、ここ数日考え込んでいるというわけです。いかにも伯爵らしい言い方で大好きなんだけど、うまい日本語にならない。

"fantasy"という語はもちろん想像とか空想とか幻想という意味が第一義で、そこから転じてばかげた話とか気まぐれという意味もあります。あとは、ある種のドラッグの呼び名とか。ですが、ポルノとかスラッシュの中で使われる場合はたいてい、「どういう対象や状況に性的に興奮するか、その対象や情況」を指すことが多いのです。

これを一語で表現できるうまい日本語が見当たりません。たぶん、私たちの文化の中ではそういったものを真面目に考えてきた歴史が浅いため、成熟した用語がないのでしょう。岸田秀の『性的唯幻論序説』 のなかでは、人間のこの"fantasy"について「幻想」という語を用いて説明しています。

もっとも、下世話な表現なら一つ二つ思いつきます。「おかず」もしく「ズリネタ」。この表現で、意味は完全にわかっていただけるでしょう。もちろん、使う気には全くなれませんが。
 
つまり伯爵には強姦願望は全くないわけです。するほうもされるほうも。抑圧ということのなさそうな人なので、たいへん健全なわけですね。一方少佐のほうはどうなのか。初期の少佐は精神的に、もっとはっきり言ってしまえば性的に厳しい抑圧下におかれた人物のように描写されています。この二つのキャラクターは、あらゆる点(性格・職業・外見ほか)で意図的に対称的に設定されているわけですが、それでは少佐の"fantasy"とは、いったいどういったものなのでしょうか。asexualでもない限り、"fantasy"は必ずあるものです・・・。あなたにも、わたしにも・・・。

2011/09/09

Contractor(外部契約者)



A two-man mission で東側に入り、司令部からの情報の伝達ミスでKGBに拘束された伯爵と少佐。別々の個室に監禁され、それぞれ白クマとミーシャから個別の尋問を受けた。伯爵はミーシャから、少佐は白クマから。

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白クマはゆっくりとファイルを取り上げた。

「彼ほど優れた外部契約者はどの諜報機関にとっても垂涎だ。ああいう手合いはたいてい雇い主を選ばんが、彼はNATOのためにしか働かんようだな。」


殴られた顔のまぶたが腫れ上がり、目がうまく開かなかった。無理に開くと、さっき気を失ったときに浴びせられた水が目にしみた。「報酬次第でなんだってするだろうさ。ルーブルを受け付けるかどうかは知らんがな。」

「なるほどね。」白クマは嫌な笑い方をした。


ぱらぱらとファイルをめくると、エロイカに関する個人的な資料の束から数枚の写真が落ちた。ゆっくりと、少佐にそれを見せ付けるように拾い上げながら、白クマは忍び笑いを漏らした。


「NATOが気前よく支払っている報酬には、職員への個人的な奉仕費用も含まれているというわけだな。」 
「・・・」
「鉄のクラウスのお相手代は安くはなかろう。それとも反対なのかね?」
「・・・何が言いたい。」
「きみ自体が、彼への報酬の一部なのかな?」
「!」


白クマは少佐に近づき、椅子に後ろ手に縛られた少佐の濡れた黒髪をわしづかみにして、顔を持ち上げた。


「向こうの尋問室には監視カメラが仕掛けてある。見たくないかね、少佐。」
「...Verdammt!」


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すみません、痛いのは苦手なので妄想はここまでです。こんなファンフィク、多分たくさんあるんでしょうね。

2011/09/08

アクションフィギュア


Style Strategy Lukasくん。

この子を使って鉄のクラウス(わりと初期)を作ってみたいんだけどな・・・



もう少し眉を薄く、唇も薄く。目は緑に。

この角度はいい。鼻筋が通っていて美しい。

着せる服を何とかすれば何とかなりそう。

服はこのあたりで。クラウスパパが着てたやつ

これってケルトのドルイドみたいだな。


お相手の金髪くんにふさわしい顔のやつはないですかね?甘すぎず、ごつすぎない顔の。

2011/09/07

でもこんな体育会系の合宿みたいなカップル、隣に住んでたら嫌だ

私はふたりの喧嘩が大好きです。大喧嘩で始まるお話は、みなさんお好きですか?犬も食わないようなやつ。

2011/09/06

【海外フィク翻訳】Parting Shot - by Kadorienne

  
Parting Shot
by Kadorienne

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紫を着る男

 
ところで最近見ないけど、「紫を着る男」って、とっくに伯爵のところにあるんだよねえ?ノースダウンスの居城か、ロンドン邸かどこにあるのかは知らないけど。結納の品だったんだよね?(ちがいます)


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「紫を着る男」にまつわる、幸せな死の物語を訳しています。泣いちゃうよ?

2011/09/05

「皇帝円舞曲」妄想

  
  
やーもー、「皇帝円舞曲」をじっくり舐めるように読み返しちゃったよ・・・。このころの作者はふたりをくっつけたくなる自分を、全身全霊をかけて制止していたにちがいない。(←あいかわらずの妄想)

伯爵の表情から往時の危険な輝きは失われつつありながらも、かわりに「少佐は私を嫌いじゃない」という自信が目元とか揺れる巻き毛からさんざめくように振り散らされていて、少佐の嫌がることをこれでもか、あれでもかと繰り返すいたずらぶりがたまらなく憎らしくていい!地図を焼いたシーンでは、少佐が自分に暴力を振るわないという確信があったんだろうなあ。あんなに嬉しそうに踊ってるんだもの。崖の上から十字架を取り返して、首もとを突き出すシーンの表情も秀逸。しかも少佐もそれほど伯爵に怒ってない!むしろ、マリア・テレジアにちょっかいをかけようとしている伯爵を心配しているらしき描写がある。それからごりおしに襲われた時!x2。一度目は部下から「すごい悲鳴が」と聞いたとたんに血相変えて走っていくし、倒れてるのを見てマイクロフィルムより前に伯爵の無事を確認したし、「5発だな!」と頼まれもしない仕返しを約束してやっているし。二度目は墓場であやうく殴られかけた伯爵を助け、「こいつを殴るのはおれだ。」と言いつつ、もちろん殴らない。少佐が伯爵にした意地悪といえば、せいぜい暗闇ネタのいじめだけで、あれってやっぱり好きな子をいじめて楽しんでる小学生男子だよなあ・・・。


で、あの二人、踊ったのかなあ。


もちろん踊ってないに決まってますが、やっぱり腐女子的には、いくらなんでも人前で踊るのはイヤだと少佐が拒否したので、誰の目も無いところへ場所を移して踊ってて欲しい。いや、だから、伯爵のお部屋とか。部下は全員、戦利品をロンドンへ輸送するのに先に帰っちゃったの。残っているのはスイートルームに伯爵一人なの。えへ。少佐は伯爵に、女装してるお前は嫌いだ、とか言っちゃうの。えへえへ。伯爵は、そっかーと納得して、さっさと重たいドレスを脱いじゃうわけ。少佐が、口紅が落ちとらんぞと指摘すると、「私の唇はもともとこんな色なんだよ。口紅が残っているか、舐めて確かめてごらんよ。」


と、妄想はどこまでも止まらないわけですが、それは世界中の皆さん同じなようで、踊ってる話ももちろんいろいろあるわけです。翻訳予定リストに入ってます。そのうちに。むふ。
 
 

2011/09/04

【海外フィク翻訳】A Rose Vine and a Wire Rope - by Kadorienne

    
  
A Rose Vine and a Wire Rope
by Kadorienne

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受難と救済、愛、魂の承認、そして暴力とエロス。ふたつの全く異なった強靭な個性の衝突。あらゆるものを包括して、なおあるべきところに収まった、7500語の古典的名作です。そしてこういうものを読むにつけ思うのは、いかに原作における人物造型が魅力的かということでもあります。

2011/09/03

おすすめ英語ブログ

前から読んでいるブログに、すごくいいエントリが出てます。続くそうです。楽しみ。英語を読む方はどうぞ。

また、疲れたときはときどきここをチェックして目をなごませています。


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校正した本訳が、bloggerの中途半端な保存機能で消えました。三度も。たぶん、容量の問題だろうとは思うのですが、PCに向かって少佐並みの悪罵を浴びせていたら、家人からたしなめられました・・・

2011/09/02

俺の娘とデートするときのルール


少佐による、「俺の娘とデートするときのルール」
 1) 許さん。
 2) おれがそう言ったと娘に告げることも許さん。
 3) このルールを破るものは目撃次第撃つ。(それでもわからんやつは狩りたてた後に撃つ。)
 4) おれの可愛い娘は何でも話してくれるからな。だからおまえらの件で隠し事ができると思うな。さもなくば二度撃つ。

Iron Klaus's Rules For Dating His Daughter by Anne-Li

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長い英語はどうしても・・・という方は、5単語ぐらいから始められてはいかがでしょう?

Five-Word Fanfics
by Anne-Li
by Kadorinne
by various authors

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Good Old-fashionedを書いたドイツ人はボン在住。
クラウスがドリアンを連れ込んだ部屋は、こちらだそうです。
(妄想)(妄想)(妄想)(妄想)(妄想)・・・




2011/09/01

自分を追い込み中

”A Rose Vine and a Wire Rope” by Kadorienne の翻訳をおっつかっつ進めております。名作中の名作であるだけに、これまで翻訳を試みられた方は大勢いらっしゃるでしょうし、新参者の私が知らないだけで過去どこかで翻訳が発表されていたことがあるのかもしれません。それだけに、表に出すのはなかなか緊張します。

 ですが、出します。たぶん、あと二・三日中には。