このサイトについて

このサイトについて: 私自身が30年来のファンであり、また海外のslash fandomの一角で80年代から現在に至るまでカルト的な人気を擁する、「エロイカより愛をこめて(From Eroica with Love)」を題材とした、英語での厖大な二次創作群を紹介・翻訳しています。サイト管理者には原作者の著作権を侵害する意図は全く無く、またこのサイトにより金銭的な利益を享受するものでもありません。「エロイカより愛をこめて」は青池保子氏による漫画作品であり、著作権は青池氏に帰属します。私たちファンはおのおのが、登場人物たちが自分のものだったらいいなと夢想していますが、残念ながらそうではありません。ただ美しい夢をお借りしているのみです。

注意事項:
 原作の内容を大幅に逸脱し、男性間の性愛を主題にした明らかに性的な内容を含みます。不快感を覚える方は画面をお閉じ頂けるよう、お願い申し上げます。

2012/06/13

皆さんの投稿もぜひコメント欄に

 
伯爵: 嬉しいな、きみのほうから尋ねてきてくれるなんて。
少佐: やかましい。盗んだマイクロフィルムをとっとと出せ。


マイクロフィルムっていまどき無いですよね・・・
 
伯爵: 遅刻だよ、少佐。休暇は三日しかないのに。
少佐: さっさと上がって来い。メシにするぞ。


二人だけの休暇、はじまりはじまり篇。
 
伯爵: どうしたの、少佐?今日は一日寝てるんじゃなかったのかい?
少佐: 悪いが仕事が入った。夕食は一人で食え。


二人だけの休暇、さっさと終了篇。でも少佐はメモだけ置いてさっさと仕事に行っちゃう方かな。
 
少佐: おまえ、その水着は何とかならんのか・・・
伯爵: どうして?色?デザイン?
少佐: いや、あのな・・・
伯爵: もっとすごいのも用意してあるけど、今すぐ着替える?

2012/06/12

狩猟


昨夜訳した箇所に、少佐の体重を「平均的な牡鹿の六分の一」と形容している場面があって、鹿というと奈良の鹿ぐらいしか思い浮かばない日本人の私にとっては???だったのですが、調べてみると鹿の中でも最大のヘラジカなどは800kgぐらいあったりするのですね。ドイツにはヘラジカはいないような気がするので、400kg~500kgぐらいの鹿を想定すればいいのでしょうか。

少佐と伯爵の山荘滞在中、少佐が狩りに行って小型の鹿とか、それはおおがかりすぎるな、じゃあ手軽なところで鴨などを仕留めてきて、厨房の裏口を出たところにしつらえた水場で血抜きをしたり羽根をむしったりしていると、伯爵が蒼い顔をしてそれを覗く、なんてのはどうでしょうかね。



「夕食はジビエ?悪いけど私には料理できないよ。」

「食うのは来週だ。英国貴族がなに蒼い顔しとる。キツネ狩りぐらい行ったことあるだろう。」

「おてんばな姉たちが持って帰ってくる猟果から、悲鳴を上げながら逃げ回るのが私の役目だったよ。血は苦手なんだ。」

「射撃がさっぱりなのは、そのあたりからきとるのか?」

「かもね。銃声は嫌いだ。血はもっと嫌いだ。」

伯爵は静かにドアを閉めて家の中に戻った。それだけの話でもなさそうだなと、少佐は思った。あとで吐かせてやる。小さく鼻を鳴らして羽根の始末に戻ると、秋の日差しの中でまだ冷えきらない血がねっとりと臭った。少佐は勢いよく蛇口を開けてそれを洗い流し、立ち上がった。残りは厨房で下処理をしてから抜くとしよう。




そんで夜の寝室でいろいろねちねち問い詰めて、昔の恋人が伯爵の目の前でこめかみに銃を当てて引き金を引いたことがあるとか、そういう話はどうでしょうね。しかも運悪く死ねなくて、いまも完全介護の病室で息をしているとか。伯爵が見舞いに行くと、そのときだけ反応を示すとか。

うーん、俺得ですらない誰得なつまらん話ですな。原作の伯爵は下手は下手なりに別に銃にトラウマとかもなさそうなので、この話はボツ。




少佐が仕留めてきたのがイノシシだったら共食い~

2012/06/11

【海外フィク翻訳】 Peripeteia - by Sylvia 連載開始

  
  
新連載始まりました。週連載で第四回(7/2リリース予定)までは準備済みですが、実はそこから先が苦手の『お色気の章』で翻訳のスピードがぐっと落ちてしまうので、いまのうちの貯金なのです。
伯爵のお誕生日までになんとか完結したいんだけど、無理かも、です。


By the Pen - Peripeteia

日本語訳はこちら


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週末は中島梓の評論を読み返していました。『コミュニケーション不全症候群』『タナトスの子供たち 過剰適応の生態学』『夢見る頃を過ぎても 中島梓の文芸時評』の三冊。
  
正直なところ、栗本薫名義の実作よりも中島梓名義のこういう評論を(もう少し饒舌さを押さえた筆致で)たくさん残して欲しかったと願ってしまう思いが無きにしもあらずですが、しかしながらこの作家の場合は実作の無いところにこの分析もまたなかったのでしょう。よく理解できるところと、理解できるが私は違うなと思うところが半々ぐらいの有意義な再読でした。十年後ぐらいにもう一度読み返すことにしましょう。
  
 

2012/06/07

新連載開始のお知らせ



来週月曜ベルリン時間00:00より、新連載を開始する所存でございます。SylviaさんのPeripeteiaです。



By the Pen - Peripeteia

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【概要】 クラウスはエーベルバッハ邸で開かれた従兄弟の結婚式に参加した。ドリアンもまた、まったく別の意図をもってその場にいた。

 【注意】 ティリアン、ドリアン、クラウス、クラウスの父、エーベル バッハ家の執事、その他のエロイカ関連の登場人物はすべて青池保子氏の財産です。私が彼らに加えた加工は、彼女の責によるものではありません。その他の人 物は存在しません。また、エーベルバッハ市は実在しますが、私は独自にそれを脚色しており、歴史等にも改変を加えています。
Peripeteiaとは、事態の激変をあらわす用語。ドラマの流れが悲劇へと舵を切り、カタストロフへと向かうその瞬間を指す。


1999年5月5日の発表だそうですから、かなりの古典です。Sylviaさんはファンフィクをたくさん書いていらっしゃいますが、エロイカものは残念ながらこれ一作のみ。

全部訳し終わってから出そうかと思いましたが、怠け者の私なのでそんなことをしていたらきっと出せない。で、週ごとの連載という形にさせていただきます。毎週月曜ベルリン時間00:00のアップです。

 
 

2012/06/05

ハンカチ


 
知り合いの男性が、見かけるたびにいつもきちんとアイロンの当たったハンカチをお持ちです。50代前半で、事情により単身赴任もすでに四年。シャツといっしょに洗濯屋に出していらっしゃるのでしょう。夏に彼のハンカチを見かけるたびに思うのですが、きちんとプレスされたハンカチというのは、男性の価値を倍に見せますね。などとほざく私は、ハンカチを使う習慣から遠ざかってすでに十年以上になります。なにしろアイロンかけが面倒だし、吸湿性もミニタオルに劣りますから。言い訳、言い訳。
 
言い訳はさておき、久しぶりに使ってみようかと引っ張り出してきたら、ちょうど14枚、二週間分ありました。気に入っていて処分し切れなかったものばかりなので、一枚一枚になんらかの記憶があります。大学のときに大家さんがくださった、細かな花の刺繍の入った薄くて繊細な一枚。二人目の彼氏と別れるときに涙を我慢できないかもと考えてわざわざ用意していき、結局使わなかった大判の一枚。父の日のネクタイのお返しに父がくれた、ネクタイと同じブランドの一枚。新卒で勤めた会社を辞めたときに意外な同僚がくれた意外な一枚。今の夫を両親に紹介したときに夫がハンカチを持っておらず、後で母が「こういうのを持たせておきなさい」と十数枚よこしたうちの二枚。
 
ハンカチなぞのことを思い出したのは、昨年の三十周年記念便乗企画で配布したフィクの翻訳を久しぶりに読み返していたから。えええーっ、伯爵ってば、そんなところに行くときにもちゃんとハンカチ持ってるんすか。しかも薔薇の香りのするレーシィなやつとかじゃなくて、実用的でマニッシュなやつ。エーベルバッハ少佐の涙をぬぐったその一枚は、間違いなく伯爵の一生の宝物になったことでしょう。
 
フィクにハンカチが出てくる場面は、あとひとつだけ思い出せます。少佐のつれなさにわんわん泣きじゃくっていて、手下のジョン・ポールに「あんまり泣いてるとお気に入りのハンカチのレースが台無しになっちゃいますよ?」と慰められてる場面。こちらは未訳です。翻訳予定リストの上位にはありますが、いつになるかな。
 
どういうフィク作者さんのどういう設定かによって、持ってるハンカチの一枚でもちがうもんですねえ。
 
 

2012/06/04

苦い後味はお好き?



甘~いお汁粉の後の、梅干的ななにか。



What Goes Around
by Anne-Li
Anne-Li's Slash Page - What Goes Around


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ちょっとこれは・・・という方もいらっしゃるでしょうね。私はしみじみ楽しく訳しましたが。







新連載を開始したい意向なのですが、糊口をしのぐのに忙しくなかなか進みません。(予定は未定であって決定では・・・あうあう) 次の翻訳は初めてご紹介する作者さんの長編になります。翻訳の許可を取ってから着手するまでに随分かかってしまったうえ、かなりの長編で、翻訳そのものにもかなりの期間が必要になりそうなので、作者様にはなんとも申し訳のないことです。