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このサイトについて: 私自身が30年来のファンであり、また海外のslash fandomの一角で80年代から現在に至るまでカルト的な人気を擁する、「エロイカより愛をこめて(From Eroica with Love)」を題材とした、英語での厖大な二次創作群を紹介・翻訳しています。サイト管理者には原作者の著作権を侵害する意図は全く無く、またこのサイトにより金銭的な利益を享受するものでもありません。「エロイカより愛をこめて」は青池保子氏による漫画作品であり、著作権は青池氏に帰属します。私たちファンはおのおのが、登場人物たちが自分のものだったらいいなと夢想していますが、残念ながらそうではありません。ただ美しい夢をお借りしているのみです。

注意事項:
 原作の内容を大幅に逸脱し、男性間の性愛を主題にした明らかに性的な内容を含みます。不快感を覚える方は画面をお閉じ頂けるよう、お願い申し上げます。

2011/07/10

違和感


   
くわえ煙草でバスルームに入ってきた少佐は、なんらかの違和感に気づき、足を止めた。違和感。おかしくないはずなのだが、何かがおかしい。そして気がついた。

「おまえ、ヒゲ剃っとるのか…。」

「あたりまえだろ。シェーバー借りたよ、ありがとう。めんどうだから永久脱毛してしまおうかとも思うんだけど、ゆくゆくはヒゲのナイスミドルという路線も捨て切れなくてねえ。ああ、きみは生やさなくていいよ。猪が熊になるだけで、私の美意識から外れるから。」

「……」

「電動のシェーバーを使うのは久しぶりなんだけど、すごく使い心地いいね。これ、PHILIPS製? きみって、ドイツ製以外でもいいものは使ってるんだね。私の誕生日プレゼントにリクエストしようかな。」

「……」

「あ、それから、もうすこしましなシャンプーを置いてもらえないかな。自慢の巻き毛が絡まってしまって困るんだよ。きみの髪、よくあんなのでそのツヤが出るよね。」

言うだけ言うと、伯爵はさっさとバスルームを後にした。少佐はつぶやいた。

「ヒゲも巻いとるんだろうか・・・」

首を振り、PHILIPS製のシェーバーを取り上げて、少佐は自身の剛いヒゲを剃りはじめた。

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