二次創作なのですからやっぱりこういうのを紹介しないとだめですよね。
(何が「やっぱり!」だっ!? 「こういうの」ってなんなんだ!)
というわけで、超絶甘甘なやついきます!
Cinnamon Toast
by Filigree
【警告】上記のリンクには成人向けコンテンツが含まれています。
18歳未満の方、または公共の場所からのアクセスはご遠慮ください。
彼女の別系統の作品については、月末に紹介・感想を予定しています(やや長めになる予定・翻訳はありません)。また、"Food Fantasy"シリーズのほかの作品についても、追って翻訳を予定しています。なお、"darker Eroica death fic stories"のうちのいくつかについては、ここではリンクできませんが大変優れた翻訳がネット上で公開されていますので、ご興味のある方は探してみてください。
18歳未満の方、または公共の場所からのアクセスはご遠慮ください。
"Cinnamon Toast"は、Filigreeによる"Food Fantasy"シリーズのひとつです。"Filigree"というのは、英語で貴金属の透かし彫りという意味の単語です。美しい筆名ですね。
"Food Fantasy"シリーズは、 "Blood and Secrets" や "'Cold Iron" などの、彼女の"darker Eroica death fic stories"の埋め合わせをするため(本人談)に書かれたシリーズで、食べ物を主題とした美しい連作です。衝撃的な作風で知られる作者ですが、激情の赴くままに残酷で暗いファンフィクだけを書いているわけではなく、冷静で緻密な計算に基づいた書き手であることがわかります。
さて本作は、海外フィクのお約束ともいえる一点を踏まえています。正典(原作)では、伯爵が正式にNATOの依頼を引き受けたのは一度だけですが、海外フィクでは少佐をタッグを組んであちこちに出かけています。二人を絡ませやすいので、便利な設定ですね。
本作もそれにならい、二人が冷戦時代の東側でとある情報を盗み取ったあと、雪の中のシェルターでNATOの回収チーム待っている一夜の話です。少佐は軽く負傷しています。シェルターに残された前任者の食料の中から新しいパンを見つけた伯爵が少佐にそう告げると、少佐は思いがけないことを言い出します。それは・・・
甘い、美しいお話です。お読みいただければお分かりのとおり、私はこの話の重要な一部を私の最初のファンフィクション「隠れ家にて」に借りています。あまりに魅力的過ぎて抵抗できませんでした。そして回想シーンと、その後の二人の会話部分に、作者のロマンチズムが十分に生かされているのが最も読み応えのある部分でしょう。さらに少しスパイスの効いたラスト!
具体的に書くとネタバレになってしまうので書けませんね。みなさん、どうか原文にトライしてみてください。翻訳、もう少し時間がかかってしまうかも。 誘い受に少しだけ載せておきます。
伯爵は狭いシェルターの棚を漁りながら尋ねた。「足はどうだい、少佐?」
少佐は暖炉の横で体を伸ばしながら、ひどい捻挫のために仮の添え木を当てた左足を動かしていた。痛みに顔をしかめるといった余計なことにはエネルギーを使わなかった。「アスピリンがすぐに効いてくるさ。」そう言って用心深くもう一口水筒の水を飲んだとき、腹が鳴った。空腹にアスピリン。少佐は伯爵に声をかけた。「何か腹に入れるものをよこせ。薬が胃を荒らす前に。」
「きみは好き嫌いが多すぎるよ。」伯爵は優しく言った。「あれは食えん、これもだめ。胃薬をポンド単位で食べればどうだい?―私はきみを南の島での休暇に連れ出すべきだな。そう、六週間ぐらい。任務は無し。きちんとした食べ物と休息だけ。君に必要なのはそれだ。」
「六週間も食い物と休息だけかね。」少佐は静かに尋ねた。暖炉の薄明かりを受けて、目がきらりと光った。「他には何も?」
「そうだね、私とのことも、まあ少し。」伯爵は許可し、美しい形の唇に微笑を浮かべた。少佐は壁にもたれかかった。これは彼がくつろいでいるときの姿勢だった。「もう俺に飽きたのかと思ったぜ。」
「そんな日は永遠に来ないよ。あれ、パンがある!」
0 件のコメント:
コメントを投稿